【方法】

SGはLactobacillus属の乳酸桿菌8株、Streptococcus属1株、Lactococcus属2株、Leuconostoc属1株の乳酸球菌およびSaccharomyces属4株の酵母、計16株を、大豆抽出液を主とする培養基中で混合培養し、その培養液を凍結乾燥したものである。5週令のCF♯1雄マウス(1群20匹)に、対照群には基礎飼料のみを、投与群には同飼料に3%(w/w)の割合でSGを添加し自由摂食させた。摂食開始と同時に、1,2-dimethylhydrazine・2HCl(DMH,ALDRICH社製)溶液を週1回、10週にわたり腹腔内投与(20mg/kg体重)し大腸癌を誘発した。投与35週目に大腸腫瘍の個数、長径を測定し、癌病変の観察を行った。なお、CF#1マウスはDMH大腸発癌に感受性の高い系統である。

【結果】

発生した腫瘍は病理組織学的には全て腺癌であった。大腸腫瘍の発生率は、対照群94%、SG群65%であり、対照群に比べSG郡は有意(p<0.05)に低率であった。マウスあたりの腫瘍の個数は対照群で4.0±2.7(Mean±S.D.)個に対し、SG群1.4±1.5(p<0.01)と有意に少なかった。腫瘍の長径は対照群が3.1±1.7mmであったのに対しSG群で2.5±1.3と有意(p<0.05)に小さかった。マウス体重は実験期間を通して両群間に有意な差は認められなかった。

【結論】

乳酸菌代謝産物はDMH誘発マウス大腸発癌において、発癌の抑制効果を示した。