【方法】

SGはLactobacillus属の乳酸桿菌、Streptococcus属等の乳酸菌およびSaccharomyces属の酵母等、数種の有用菌を大豆熱水抽出液で混合培養し、その培養液を凍結乾燥したものである。BHI(Difco)またはGAM(日本製薬)液体培地にSGを0.3~3(wt%)濃度添加後、被研菌の前培養液を生菌数105個/mlとなるよう接種した。37℃で24~48時間培養後濁度を測定し、対照と比較した。

【結果と考察】

う蝕の原因菌とされるStreptococcus mutans、歯周病の原因菌とされるPorphyromonas gingivalis、Prevotella nigrescens、Fusobacterium nucleatumのいずれの菌に対してもSGは0.3%濃度以上において増殖抑制作用を示し、濃度依存性が認められた。1%濃度で比較した場合、これらの有害菌の増殖が抑制されたのに対して、常在連鎖球菌であるStreptococcus salivaliusに対しての増殖抑制作用は認められなかった。以上より消毒剤、抗生物質等に代わるう蝕、歯周病治療の一手法としてSGが有用である可能性が示唆された。