【方法】
1)豆乳発酵産物の上清40Lを減圧下濃縮し、乳酸菌代謝産物を得た。この乳酸菌代謝産物をDiaionHP-20カラムクロマトグラフィーに付し、H2O、20?70%MeOH、MeOHにて順次溶出させ、3分画した。
2)健常人ボランティアからの末梢血単核細胞(hPBMC)およびそれを更に、磁気ビーズを用いて分離したヒトCD4陽性T細胞(hCD4+T細胞)を被検試料存在下24hConA刺激し、それぞれの培養上清中のIFN-γ、IL-10産生量をELISA法により測定した。
【結果および考察】
豆乳の乳酸菌発酵代謝産物の20?70%MeOH、MeOH分画に、hPBMCおよびhCD4+T細胞に対するIL-10産生誘導能が用量依存的に認められた。この結果は、豆乳の乳酸菌発酵代謝産物はhCD4+T細胞のIL-10産生を刺激し、Th2型免疫応答の誘導を示唆している。このことから豆乳の乳酸菌発酵代謝産物は炎症性腸炎や腸粘膜免疫系の破綻により生じる疾患を改善する可能性が考えられる。なお、IL-10産生誘導を示す化合物の単離・構造決定については現在検討中である。