【方法】
1)胆汁酸またはD-ガラクトサミン投与により誘発した肝障害モデルラットに対してBFを経口投与し、肝機能の指標として血清GOT値等を測定した。
2)ラット初代培養肝細胞の培養液中にBFおよび6価クロム[Cr(VI)]を添加し、細胞膜の酸化傷害により漏出するLDH活性ならびに細胞中の脂質過酸化量を測定した。”
【結果および考察】
1)胆汁酸負荷により対照群の血清GOT値は飼育2週目で1366±467(平均±SD、Karmen単位)まで上昇した。一方BF投与群では406±88と有意に上昇が抑制され、胆汁酸による肝細胞の傷害が軽減された。またガラクトサミン投与モデルにおいても同様に、投与1日目におけるGOT値は対照群5148±1711に対してBF投与群2244±1241と有意な上昇抑制作用が認められた。
2)ラット初代培養肝細胞に対するCr(VI)による細胞障害はBF添加(0.25~1%)により完全に阻止された。また脂質過酸化はBFの添加濃度依存的に抑制され、1%添加例ではCr(VI)未処理対照の値までに低下した。この結果からBFの肝傷害防御メカニズムの一つとしてBFの抗酸化作用が考えられた。
【結論】
乳酸菌発酵生産物BiofermenticsRは肝機能改善を目的とするサプリメントとして有用と思われた。