【方法】
試験1)4週齢、雌性BALB/cマウスを2群(1群6匹)用意し、精製飼料にBFを2%w/w)添加した飼料(BF投与)または無添加の飼料(対照)を2週間自由摂取させ、経時的に糞便中IgA量をELISA法により測定した。
試験2)年齢24~43歳の健常女性5名に「生源」を1日10本(計15g)、10日間飲用してもらい、飲用前後の唾液中IgA量を測定した。
【結果】
試験1)実験終了時の両群の糞便中IgA量を比較すると、対照群が293±80μg/gであったのに対し、BF投与群では433±88μg/gと有意(p<0.01)に高かった。
試験2)「生源」飲用前と比較して飲用後の唾液中IgA量は、5名中4名で増加が認められ、飲用前が118±65μg/mlであったのに対し、飲用後は214±130μg/mlと有意(p<0.05)に増加した。
【考察】
経口摂取されたBFが、腸管のパイエル板といった腸管免疫系を活性化したことで、sIgA産生が高まったと考えられた。腸管免疫系で活性化されたIgA産生細胞は、ホーミングにより粘膜固有層や腺組織といった色々な組織に移動し、sIgA産生を誘導することが知られている。今回、ヒト試験において唾液中IgA量が増加したことから、BFは腸管免疫系を活性化し、腸管のsIgA産生を高めるだけでなく、全身の粘膜面においてもsIgA産生を高めると推測された。
【結論】
BFの摂取により、マウス及びヒトのsIgA産生が高まったことから、BFは免疫賦活作用を有する健康食品の原材料として有用と思われる。