【方法】

生源には代表的に3種類の製品があり、15年間運用の経験がある。
①「Gold」は乳酸菌、酵母を共棲培養して得られたエキス(BF)を主成分とし、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、核酸のほか糖鎖、短鎖脂肪酸などを含む。IBS混合型に適宜使用。
②「V」はBF、菌体融解成分と生菌の3者を混じたものでIBS下痢型に有効。
③「パール」はBFに酪酸菌を混合したものでIBS便秘型に有効。これら3種類の使用経験をもとに18症例に投与することにした。

【結果】

年齢層は23~76歳、男性9名、女性9名であった。IBSのローマ基準を示す症例に対して問診と便通記録をBristolの排便スケール(Drossman,DA,et al,2000)を利用しておこなった。18例の内訳は、下痢型9、便秘型8、混合型1例であった。18例中3例(17%)には効果がみられず、服用継続を望まずに中止したが、15例(83%)には有効であった。投与期間は1ヶ月から5年になる。なお、特筆すべきことはIBSに伴う心身症的症状が軽減し、気分が晴れて軽快になったと述べている事例があったことである(15例中5例;33%)。なお副作用に関する検査結果は陰性であった。

【考察】

IBS患者本人が市販薬や専門医の治療法に満足しきれず悩んでいた情況に対して、著者自身の自らの体験を聞いてBFの統合医療的意義を理解、実行し、継続使用したことが有用性に結びついたと考える。

【結論】

乳酸菌混合培養により得られた発酵産物(生源)は過敏性腸症候群の下痢型、便秘型、混合型の症状の何れに対しても安全、有効性が確認された。