【症例】
36歳、男性。2006年11月29日風邪症状を主訴に来院。眼球結膜の黄染を認め、血液データにてWBC7400、PLT157000、AST1170、ALT2380と高値。急性肝炎と診断。外来にて連日肝庇護剤投与、その後順調に回復し同年12月13日AST15、ALT59となった。その後、外来経過観察中、咳嗽を主訴に2007年1月31日再診、採血にてWBC2900、PLT101000と低下を認めた。2月5日にはWBC3000、PLT89000とPLTが更に低下したため、念のためHIV検査施行し、HIV(+)との診断を受けた。そこでHIV専門病院へ紹介した。その間に生源を60g/日とアンブロトース6g/日を投与した。
【結果】
経過中、2007年2月16日HIV量160000copies/ml、CD4 192cells/μL、CD8 764 cells/μL、
同年3月16日HIV量3100copies/ml、CD4 339 cells/μL、CD8 975 cells/μL、
同年5月18日HIV量測定不能の低レベル、CD4 429 cells/μL、CD8 841 cells/μLと改善を認めた。また、咳嗽も消失した。
【考察】
今回我々は、①腸管内の細菌叢を生源により改善し、サプリメントと腸管粘膜との接触を増加。②生源が有するバイオジェニックス効果。③生源に含まれる糖質栄養素及び他の種類の糖質栄養素(アンブロトース)を加えることによるリンパ球のレセプターの正常化。④レセプターが正常化されたリンパ球の連鎖的な免疫反応の惹起。を期待した。結果は期待通りにHIV量を減少させることに成功した。しかし、これが生源単独、あるいは糖質栄養素単独で起こりえるか、又これらの相乗効果によるものなのか、今後の症例の積み重ねにより解明されていくものと思われる。
副作用のないサプリメントがHIV量の改善に有効であったとみなされる貴重な一例として報告しておきたい