【方法】
口腔内の処置歯が少なく絶対的に麻酔経験が少ないと思われ、かつ同顎の両側に同様の処置が必要な被験者(n=4)を選び、趣旨を説明し了解を得た後コントロールとして生源の投与をせずに術前1週間前、麻酔直前、麻酔直後、麻酔5分後、処置終了後のそれぞれの血圧、脈拍、ストレス度の測定を行った。次に処置後2~3週間以上間隔をあけ、反対側歯牙の同様処置の際に、生源を術前1週間前より1日9.0g(6本)の投与を行い、それぞれを計測し生源投与の無い前回と比較した。
【結果】
コントロールにおいては、血圧・脈拍・唾液アミラーゼ活性の変化が大きく見られ、いずれも麻酔直前から麻酔直後にかけてピークとなり順次それらが減少することが分かった。生源の服用ではいずれにおいても変化量が減少し、特に高血圧患者においてはそれが顕著であった。
【考察】
歯科局所麻酔により不安・緊張が煽られることは、誰しも経験があるものである。コントロールにおいてすべてストレス度が大きく上昇したことからも明らかである。しかし生源の服用により、ストレス度が大きく変化せず前回の処置と比較し明らかにストレス度が減少したことから、生源がストレス軽減に関与したと思われる。また血圧を一定に保つ作用もあると思われる
【結論】
生源はストレスを軽減させる可能性があることが示唆された。