【方法】

“1) 実験動物:4週齢のBALB/cマウス(雄)を通常MF固形飼料飼育(以下、通常飼育)群と1%生源含有MF固形飼料飼育(以下、1%生源飼育)群の2群(各5匹)に分け6ヶ月間飼育した。また、4週齢マウスの十二指腸微絨毛丈が最も長いことが報告されているので(Ishikawa,R.:J.Clin.Electron Microscopy(1990)23:1-12)、通常飼育の4週齢群(5匹)を実験対照とした。

2)マウス十二指腸微絨毛丈の定量解析法:頸椎脱臼したマウスから十二指腸を採取し、直ちに組織を細切した後、3%グルタールアルデヒド固定および1%四酸化オスミウム固定、エタノール濃度系列による脱水、プロピレンオキシド置換、エポキシ樹脂包埋などの常法処理を行った。超薄切片作製、電子染色などを行った後、微絨毛を透過電子顕微鏡(以下、TEM)にて撮影し、微絨毛丈をコンピュータにて定量的に計測した。得られたデータは、平均値±標準偏差で表し、統計処理はScheffeの方法を用いて3群間比較を行った。危険率5%未満の場合を有意差ありと判定した。”

【結果】

通常飼育6ヶ月齢群(A)の十二指腸微絨毛丈は、1.18±0.30μm(計測本数:4,796)であった。一方、1%生源飼育6ヶ月齢群(B)の十二指腸微絨毛丈は、1.39±0.24μm(計測本数:4,401)であった。また、通常飼育4週齢群(C)の十二指腸微絨毛丈は、1.38±0.25μm(計測本数:4,517)であった。Bの微絨毛丈とCの微絨毛丈との間に有意差は認められなかった(B vs. C [N.S.])。しかし、Aの微絨毛丈は、Bの微絨毛丈およびCの微絨毛丈との間に有意差が認められた(A vs. B [p<0.0001];A vs. C[p<0.0001])。

【考察】

以上の結果より、生源を継続的に投与することによって加齢によるマウス十二指腸微絨毛丈の短縮を抑制することが明らかとなった。4週齢マウスの十二指腸微絨毛丈が最も長い理由として、豊富な栄養素の活発な吸収時期との関連性が指摘されている。このことから、生源の継続的な投与は、微絨毛の機能・構造を維持しながら、生源に含まれる各成分の吸収が活発に行われ新生細胞数の減少が抑制されたためと推察される。

【結論】

生源の継続的投与が加齢によるマウス十二指腸微絨毛丈の短縮を抑制することが明らかになった。この事実から、乳酸菌発酵産物にはアンチ・エイジングよりもスロー・エイジングと呼称すべき効果があることが示唆された。