【方法】

試験1)Ⅰ型アレルギー反応のモデルであるラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応:ウィスターラットの背部皮内にマウスモノクロナールDNP-IgE抗体を注射し、BF-LP284を経口単回投与(300mg/Kg)後、DNP化牛血清アルブミンを含む色素溶液を静注してPCA反応を惹起させ、背部皮内に漏出した色素の面積を非投与対照群と比較した。陽性対照にはプレドニゾロンを用いた。

試験2)細胞からの脱顆粒によるケミカルメディエーターの放出抑制作用:①ラット好塩基球白血病細胞(RBL-2H3細胞)と、BF-LP284を接触させた後、細胞刺激剤(A23187)でヘキソサミニダーゼを遊離させ、合成基質の分解量からヘキソサミニダーゼ量を計測した。
②ラット腹腔肥満細胞とBF-LP284を接触させた後、細胞刺激剤(Compound48/80)でヒスタミンを遊離させHPLCによりヒスタミンを定量した。

【結果】

試験1)漏出色素面積(㎝2)は対照群15.2±1.9に対し、BF-LP284群12.5±0.5、プレドニゾロン9.7±0.4と共に有意(p<0.01)に小さく、BF-LP284はアナフィラキシー反応を抑制した。

試験2)①BF-LP284は濃度依存的にRBL-2H3細胞からのヘキソサミニダーゼ遊離を抑制した。
②BF-LP284は濃度依存的に肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制し、1.2mg/mLにおいては85%抑制した。

【考察】

BF-LP284はアレルギー症状を抑制し、その抑制は肥満細胞からの脱顆粒によるケミカルメディエーターの放出抑制であると推測されたがその機序の詳細については検討中である。

【結論】

BF-LP284はアレルギー抑制作用を有する事が示唆された。