【目的】

活性酸素は、生体で大切な働きをしているが、過剰になると細胞傷害、発がん、老化の原因といわれており、その活性酸素を消去する抗酸化物質が注目されている。しかし、活性酸素種は、狭義には4種類(スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化水素)が知られているため、それらに対応する抗酸化物質を含有する製品の開発が望まれている。今回、我々は抗酸化製品「生源Ai」(以下「Ai」)を開発した。「Ai」が各種活性酸素種に対応しているかin vitroで評価を行うと共にヒトによる飲用試験を行った。

【方法】

「Ai」は、豆乳を12種類の乳酸菌と4種類の酵母で発酵させた乳酸菌生産物質にアスタキサンチン、ルテイン、ビタミンC、ビタミンE、トコトリエノール、ビルベリー、カシス、アサイーなどを配合して作製した。
試験は、1)in vitroで5種類の抗酸化試験{スーパーオキシド消去能、ヒドロキシラジカル消去能、一重項酸素消去能、DPPHラジカル消去活性能、ORAC(活性酸素吸収能)}を実施した。2)ヒト好中球を用いたスーパーオキシド消去能を測定した。3)「Ai」を4週間、ボランティア17名に摂取してもらい、摂取前後の血清中酸化代謝物(d-ROMs)を測定した。

【結果】

1)スーパーオキシド消去能(23615units SOD/g)、ヒドロキシラジカル消去能(691202μmol DMSO/g)、一重項酸素消去能(24887μmol Histidine/g)、ORAC(活性酸素吸収能)(542.5μmol TE/g)、DPPHラジカル消去活性能(17931.6mgTE/100g)が示された。
2)ヒト好中球を用いたスーパーオキシド産生能(化学発光)のIC50は、1.07±0.48μg/mlであった。
3)「Ai」のヒト摂取試験の結果、d-ROMsは飲用前:平均300(U. CARR)、から飲用後:平均268(U. CARR)に約11%減少した。

【考察】

「Ai」は、in vitroでの5種類の抗酸化試験、ヒト好中球を用いたスーパーオキシド産生能(化学発光)のIC50の結果、全てにおいて高い抗酸化能を示したことから、各活性酸素種に対応していることが示された。また、ヒト試験でも血清酸化代謝物の減少が認められ、「Ai」は体の酸化を抑制する機能を有する可能性が示唆された。