【目的】
Lactobacillus plantarum(Lp)およびBifidobacterium longum (Bl)の生菌の投与が高脂肪食摂取マウスの腹腔内脂肪組織の蓄積および脂質代謝に及ぼす影響について検討した。
【方法】
5週齢雄のC57BL/6Nマウスを4群に群分けし,14週間飼育した。実験飼料は1群にはAIN-93M飼料を,残りの3群には高脂肪飼料を給餌した。飼育期間中,連日胃ゾンデを用いて,生理食塩水,LpまたはBlの生菌(いずれも1011CFU/head)をそれぞれ投与した。解剖後、血清脂質,肝臓脂質,脂肪細胞のサイズ,炎症マーカーのmRNA発現量を測定した。
プロバイオティクス投与群において,腹腔内脂肪の蓄積抑制,肥大化抑制,炎症抑制作用が認められた。また、肝臓脂質の蓄積抑制効果も認められた。本効果は、Bl投与で顕著であった。以上の結果より,プロバイオティクスの生菌の摂取は,高脂肪食マウスの腹腔内脂肪蓄積を抑制し,脂質代謝を改善する作用を有することが示された。