【目的】

水浸拘束により誘発されるラットの急性胃粘膜障害に対する乳酸菌混合発酵産物(BF)の投与効果を調べた。

【方法】

Donryu系ラット(雄、6週令)を通常飼料飼育群(n=8)(対照群)と3%BF含有通常飼料飼育群(n=9)(BF群)に分け、2週間自由摂食させた。8週令時に各個体を保定器にて拘束し、3時間水浸することによりストレス負荷を行った。ストレス負荷後直ちに胃を摘出し、内壁の粘膜病変の程度を肉眼的に9段階にスコア化した。

【結果】

ストレス負荷による胃粘膜病変は、うっ血、発赤をともなう潰瘍前駆状態の病変で、組織学的には腺上皮細胞の壊死と粘膜下組織の浮腫が観察された。各群の病変スコアは対照群7.8±2.1(平均±標準偏差)であったのに対し、BF群では5.7±1.4と有意(P<0.05、t検定)に低かった。

【結論】

BFはストレス性の胃粘膜障害抑制に有用である可能性が示唆された。